はこぶね207

「もうひとつの答えを求めて」

牧師 島田 真澄

学生時代に聞いた旧約学者の言葉をいまでも時折思い出す。「自然科学の解(答え)はひとつである。しかし、人文科学の解は無数にある。どれが正解か、判断は難しい。要は説得力だ。その解にどれだけ説得力があるかが問題なのだ」。

確かに自然科学のみならず、学校の教室での学びの正解もほとんどの場合ひとつである。しかし、人生の舞台では答えはひとつではないことが圧倒的に多い。良い答えから悪い答えまでそれは実に多岐に渡る。その中で、人々の心を打つ説得力のある答えがもっとも正解に近い。自分も納得し、他をも納得させ得るような答えを求めて人は悩む。良いと思えた答えに、更にもうひとつの答えはないかと模索し続けるのである。

2010年度の広島三育学院の学校目標は、尾上校長の提案により「未来へ」となった。理想の未来に向かって今日をいかにコントロールするか。理想の未来とは何か、今なすべき準備とは何か、真剣に考え始めなければならない。恐らく正解はない。しかし、誰もが唸るような解がどこかにあるはずだ、そう信じてひざまずき、思索し、行動が始まる。

私たちの教会の新しい年度も明けた。新しい役員のもと新しい活動が始まる。教会は、そして各部はどのような教会の未来図を描き、どのようにその絵の実現を願うのだろうか。今年の一歩が確実に3年後、5年後の教会の姿を決める。これは確かだ。だから教会もまた祈り、考え、行動する。

「三育」の目指す人間とは、祈り(spiritual)、考え(mental)、行動する(physical)人間である。神の手にあるもうひとつの答えを求めて祈り、考え、行動する人間が三育の育てたい人間像だ。三育学院も、三育教会も祈り、考え、行動(奉仕)しつつ説得力のあるもうひとつの答えを求めて、未来に向かって今年も前進したい。今年一年の私たちの教会のすべての活動の上に神の祝福豊かにと祈るものである。

All in Christ・・・すべてキリストにあって。