投稿日: Sep 21, 2009 12:42:57 PM
バグダッドにあったアドベンチスト病院は、1959年に国営化され、強制的に政府に没収されて、外国からのSDA医師や職員はすべて国外退去を迫られ、イラク人働き人は看護師のソヒラさんだけになってしまいました。
あるとき、アブドル・カッセム首相は反政府グループによる暗殺未遂事件に巻き込まれ、護衛兵数名とともに重症を負ってこの病院に担ぎ込まれました。首相の側で24時間付き特別看護を命じられたのはソヒラさんで、彼女は全力をつくして介護にあたりました。ある日曜日に病院に戻ると、カッセム首相はソヒラさんに、「昨夜、あなたは教会に行ったでしょう。わたしのためにお祈りしてくれた?」と尋ねました。そこで教会のみんなで首相の回復を祈ったことや青年会のみんながお見舞いに訪ねたいと言っていることを話しました。数日後、アラシャト牧師とSDA教会の信徒たちが首相を訪問し、ファーゴ医師が詩篇91篇を朗読、病床の首相の周りで賛美歌を歌い、一同でお祈りをしてひとときを過ごしました。首相は、「他の病室も回って怪我をしている人たちを励ましてください」と言われました。
数日後、イラク政府はSDA教会をキリスト教として認可する布告を公表しました。ひとりのアドベンチスト看護師の信仰と愛の働きが教会を救ったのです。
イラクには3つのSDA教会があり、300人ほどの信徒たちが礼拝に参加しています。湾岸戦争の恐ろしい爆撃のさなかでも礼拝は休まず続けられました。(「三育はこぶね」173号 SDAインターネット・ニュースより、曽根田健二牧師記)